[PR] 香典返し おねしぺグローブ: 【映画レビュー】きみにしか聞こえない

2007年6月18日月曜日

【映画レビュー】きみにしか聞こえない

懐かしくも横浜市営地下鉄で新横浜を通り過ぎセンター北の ワーナー・マイカル・シネマズ港北ニュータウンへ2007/6/16。目的は当日封切られた映画:

「きみにしか聞こえない」(乙一原作)を見るためです。 なんでこう辺鄙な場所でしかやらないかなあ。ちゃんと横浜でやってほしいものです。

…で、見終わってとてもパンフレットがほしくなったのですが売り切れ。20:30からのレイトショーということでチケットは1200円、客の入りは20人以下でしたが、しかしこれの前の17:30からの回に俳優の舞台挨拶があった(チケットはずいぶん前から完売であったらしい)ので、それであらかたなくなってしまったのでしょう。残念。

評価:★★★★

これも秒速5センチに近い(それほどではないかもしれないが)マイブームの予感です。ぜひもう一回は見たい。後で原作を知る人間としての感想をいろいろ書き足しますが、とりあえずみんな見ろということで。2時間を感じさせない映画はひさしぶりです。感動しまっせ。

まず。この映画はこれまでいろいろやられてきた乙一作品の映像化で唯一の成功例だろうと思います。 成功例といって、もちろん、 初期乙一作品の心理トリックを100%映像化できるはずもないのですが (実際、映画では最初から重大なネタバレをやらかしてしまっているのですが)、 しかしこの映画がすごいのは、それを補ってしまうくらいに原作を上回る部分のあるところです。 原作の乙一短編について、 私だったらハナから忠実な映像化は無理だと決め付けてしまうだろうし、 どう考えてもこんな大掛かりな映画にできるほどの内容はありません。 でも現にこうして、やや別モノとしてではあるけど、ものすごい完成度で違和感なく 映像化された2時間もの映画作品として存在する。 典型乙一ヒロインのハズのリョウが横浜山手の超絶美少女お嬢様だったりするのはまあご愛嬌として、 頭の中の携帯電話を違和感なくすっと観衆になじませる部分とか、 シンヤの設定とか、横浜・長野の土地とか、鎌倉とか、リョウがだんだんと可愛くなっていく様子とか、 あとはなんといってもクライマックスの演出が見事です。 原作を読み返して分かったのですが、これらの部分、 映画のほうがはるかに見るべきものを多く含む、濃いものになっていました。 その力量は十分に評価されるべきものと思います。

ただしこの映画、どうしようもなく原作を損なってしまっている部分があるのです。 つまり。最後は八千草薫じゃなダメなんです。 それはそれでいいんですけど、最後の最後がそれじゃダメなんです。 そこは原田さんじゃなきゃダメです。 というかむしろ大学生のユミじゃなきゃだめです。 私が思うに、この映画の致命的なミスはこの原田おばさんの演出です。 ものすごく余計なことのたまってしまうしねこのおばさんは。 違うんです。そうじゃない。 この小説の最後は彼女に収束してナンボなわけですよ。 そうじゃなきゃ成り立たない。それがわかってない。 そのあたり、その昔コミケで売った乙一本に私が投稿したとおりですので。 今読み返しても感想は変わらない。初期乙一作品の力は別格です、やはり。 (あと細かい部分では、個人的には映画の深刻一辺倒よりは原作のシンヤとリョウのはっちゃけた性格のほうが好きなんのですけどね、まあそれは作品の色合い上、しゃあないです。)

…と、原作ファンとしては根幹の部分で非常に残念なところもあるのですが、 それは考えようという部分もあって、映画としてこういう作品に仕上げたんだ、 と割り切って見ていれば、 それはもう純粋に、私もクライマックスの直前あたり3回ほどウルウルしてしまったのでした。 女の子は泣くと思うな、これは。 原作を知らずに映画を見た人は、原作を読んでほしいです。 原作を知る人は、ぜひ映画を見て、そしてもう一度原作を読んでほしいです。 そう自然に思わせてくれる、見ていて清清しく気持ちのよい映画でした。 いい映画でした。

あ、あと、個人的にはドリカムはいらんです、はい。

0 件のコメント: